足場の最大積載荷重と許容積載荷重の違いと積載荷重表示について解説

2024年1月27日

本記事を通して、最大積載荷重と許容積載荷重について理解を深め、足場の安全性について理解するようにしましょう。

安全性の観点から「最大積載荷重」と「許容積載荷重」という2つは、とても重要です。

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最大積載荷重と許容積載荷重の違い

最大積載荷重と許容積載荷重は、物体や構造物がどれだけの重さを支えることができるかを示す異なる概念です。

最大積載荷重は、物体や構造物が瞬時に受け入れることができる最大の重さを指します。

材料の物理的な特性や構造の設計に基づいて計算され、その限界を示すものです。この値を超えると、構造物は損傷を受けたり、崩壊したりする可能性があります。

一方で許容積載荷重は、物体や構造物がどれくらいの重さを安全に支えることができるかを示す指標です。

この値は、安全性や信頼性を確保するために、物体や構造物が実際に持つ力よりも余裕のある安全係数を考慮して計算されます。

最大積載荷重が理論的な限界を示すのに対し、許容積載荷重は実用的な安全性を確保するために設定された基準に基づいています。予期せぬ負荷や変動に対しても耐えることが期待されます。

そもそも足場の最大積載荷重とは

足場の最大積載荷重とは、足場に布板を組み合わせて設置した際に、1つのスパン(一つの支柱から別の支柱までの間隔)ごとに載せられる最大の重量を指します。

足場を実際に作業で使用する際には、この最大積載荷重を超えないように細心の注意が必要です。

足場の最大積載荷重は、使用される足場の種類によって異なりますので、正確な取り扱いの指針は足場の種類ごとに確認することが必要です。

足場の許容積載荷重との違い

足場の許容積載荷重とは、足場の床に敷かれた1枚の布板が耐えられる重量を指します。

例えば布板の幅が500mmの場合、その許容積載荷重は250kgになります。

同様に幅が300mmならば150kg、幅が240mmなら120kgまで許容されます。

このように足場の許容積載荷重は使用される布板の幅に依存しており、幅が広くなるほど数値も増加し、より大きな重さに対応できるようになります。

足場の種類ごとの最大積載荷重

足場には、安全かつ適切に使用されるための規定として、各種類の特性や構造に基づき、それぞれ独自の最大積載荷重が設けられています。

以下の表は、一部の足場の種類と1スパンあたりの最大積載荷重を示しています。

足場の種類1スパンあたりの最大積載荷重備考
標準わく組足場(建わく幅1,200mm)500kg以下床付き布わくによって決まる場合の同時積載総数。
簡易わく組み足場250kg以下床付き布わくによって決まる場合の同時積載総数。
単管足場400kg以下1スパンあたりの最大積載荷重は400kg以下で同スパン内の同時積載層数は2層以下とし、これを連続スパンにわたって積載しない。
ブラケット一側足場150kg以下足場の最大積載荷重は、1スパンあたり150kg以下で建地1本あたり100kgとする。
吊りわく足場200kg以下両側合わせて400kg以下とする。
吊り棚足場(ループ吊り)430kg/本ループ吊りの時は4.21kN以下とする。
くさび緊結式足場(前後踏み間隔900mm以上)400kg以下同一スパン上2層までの荷重とし、連続スパンにわたって積載しないこと。
低層住宅工事用足場(ブラケット一側足場1本建地)200kg以下足場1構面につき400kg以下とする。

(引用:建設業労働災害防止協会「足場の組立て等作業の安全」)

足場の最大積載荷重は、作業床の大きさにも影響を受けます。

例えば上の表には記載していませんが、次世代足場という種類の場合、490mmの作業床を1枚使用した場合の積載荷重は245kg・2枚使用した場合は490kgになります。

ただし、足場の1スパンあたりの最大積載荷重は400kgであるため、載せられる重量は最大で400kgまでとなります。

足場の積載荷重表示に注意が必要

足場設置では、着工から完成まで異なる作業者が作業を担当することが一般的です。設置の進捗に応じて多くの作業者が交代し、中には1日だけ作業する場合もあります。

このような状況の中で、作業者は足場の最大積載荷重を理解していないと、事故や足場の崩落といった危険にさらされる可能性があります。

最大積載荷重を作業者全員に周知させるためには、表示が不可欠です。

特に、作業状況によって荷重が場所ごとに変動する場合は、各スパンに正確に最大積載荷重を表示し、その日に初めて作業に入る作業者でも容易に理解できるように心がけましょう。

安全性を確保し、作業者が正確に積載荷重を把握できる環境が整います。

足場積載荷重表示のルール

労働安全衛生規則では、最大積載荷重を超えてはならないことや積載荷重を表示することが義務付けられています。

足場の組み立てや作業開始前に、所定の積載荷重の表示を確認することは、安全な作業環境を構築するための第一歩です。

事故や損傷のリスクを最小限に抑え、作業者が安心して業務に取り組むことが可能となります。

確実なルール遵守は、建設プロジェクトにおける安全性を確保するために欠かせない要素です。

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また、軽量足場は優れた耐荷重性能を有しています。その軽量さに反して、十分な耐荷重を実現し、安全に作業が行えるようになっています。

このバランスの取れた性能は、新しい時代の足場システムとして、安全性や効率性・取り扱いの容易さを兼ね備え、様々な工事現場で利用され始めています。

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足場の最大積載荷重と許容積載荷重の違い:まとめ

安全な建設現場を確保するためには、足場の最大積載荷重と許容積載荷重の理解が欠かせません。

最大積載荷重は構造物が耐えられる限界の荷重を示し、これを超えないように管理することが必要です。

一方で、許容積載荷重は安全係数を考慮したうえでの荷重であり、これに基づいて足場の使用を調整することが求められます。

本記事をきっかけに、最大積載荷重と許容積載荷重の概念を正確に理解し、安全かつスムーズに建設プロジェクトを進行していただけますと幸いです。