【足場の種類一覧まとめ】足場の特徴とメリット・デメリットについて解説

2024年1月21日

足場は、建築現場や外壁塗装などの高所作業で職人が安全に作業するために必要不可欠です。足場は多くの工事現場において使用されるためさまざまな種類があります。

足場は用途に応じた使い分けをしないと危険なものであり、作業効率を落とす原因になるため、さまざまな特徴のある足場が開発されています。

本記事では、足場の種類や特徴について、メリット・デメリットとともに解説します。

新世代超軽量クサビ足場|お気軽に【軽量足場】についてのご質問やご相談はこちら

足場の種類と作業シーン・特徴一覧

足場は、建築物の高さや種類・作業場所に応じて、使用する足場は違い、工事内容(外壁工事、内装工事、躯体工事など)によっても異なります。

さらに、安全性や現場の状況に応じて改良された足場もあり、細かく分けると種類は豊富です。

ここでは、代表的な足場の種類とよく使われる作業シーン、それぞれの特徴を表にまとめました。それぞれの詳細については、後記します。

足場の種類特徴作業シーン
くさび緊結式足場(くさび式足場)設置や解体が簡単で、複雑な形状にも対応できるおもに木造住宅やアパートなど中低層の建築現場だが、一部の高層建築でも使われる
枠組み足場汎用性が高く、最も一般的であり、軽くて強度がある中高層ビル・マンション・住宅などの幅広い建築現場、外壁工事など
単管足場最も歴史があり、簡単で自由に形状を変えることができるおもに低層住宅の外壁塗装や補修などの現場
単管ブラケット足場単管足場よりも安全性が高い隣接する建物との距離が狭い中低層建築(最大15mまで)の現場
吊り足場地上から足場を組むのが難しい現場でも使える高層マンション・ビル・橋などの建築現場
移動式足場キャスター付きで解体せずに移動できる天井の配管や空調設備・照明器具の取付け、壁の仕上げ現場
次世代足場現代人の体格に合わせた規格幅広い建築現場
脚立足場手軽に持ち運べて便利だが、安全性が低い低層建築物の外壁塗装や補修などの現場

関連記事:【2024年度】足場とは?足場種類や基礎知識を徹底解説

足場の種類

基本的には、様々ある足場の種類も大きく2つに分けられます。

・組み立て足場:パイプや丸太などの部材を使用して組む足場

・吊り足場:梁などから吊す足場

近年は、安全面を考慮して鋼製パイプが主流となり、丸太はほとんど使われなくなっています。

関連記事:【足場の種類一覧まとめ】足場の特徴とメリット・デメリットについて解説

くさび緊結式足場(くさび式足場)

くさび緊結式足場は、くさび式足場とも言われています。

緊結部のある鋼管を一定間隔で支柱として立てながら、筋交・踏板・緊結部付布などを支柱の緊結部にくさび(凸凹のついた金具)で緊結※して設置する足場のことです。

緊結部のある鋼管と各種部材(緊結部付布・踏板・ジャッキ・ブラケット・筋交・階段など)は全てユニット化されているため、ハンマーさえあれば簡単に組み立てられます。

最低2人で組めるため、コストパフォーマンスに優れた足場であることがメリットです。一方で、くさびを打ち込む際に大きな金属音が発生することがデメリットであり、主に、中低層階の外壁塗装や補修工事などに用いられます。

※緊結とは・・・緩みやズレがおきないようにしっかり固定すること

新世代超軽量クサビ足場『軽量足場製造販売』

一般社団法人低中層足場リース協会の軽量足場では、資材原料や製法を改良することで、従来品よりも軽量化と高強度化を達成しました。

支柱と緊結部である差し込みホゾをプレス方式で一体化し、最新の溶接機を使うことで38%以上の軽量化と29%以上の強度化に成功を成し遂げたのです。

特許取得(第6173289号)のオートロックシステムであるクサビ式フックの採用など、「軽量BK足場」は上記の利便性だけでなく安全性も考慮された構造のため、全国の中低層建築現場で使われています。

関連記事:【軽量足場】一般社団法人低中層足場リース協会|ホームページリニューアル

枠組み足場

枠組み足場は鋼管を門の形に溶接した建枠に、ジャッキ・筋交・布板(踏板)・緊結部付布などの部材をボルトなどで設置する足場のことです。

足場として最も汎用性が高く、耐久性や安全性が高いため、様々な現場で使われています。

また45mまでの高さまで設置できるため、高層ビルやマンションなどの建築現場、外壁工事などにも用いられます。

「くさび緊結式足場」よりも部材の種類が多く、幅広い現場に対応できること、ハンマーで叩かないため騒音の心配がないことがメリットになります。

ただし、設置にクレーン車を使う必要があるため、作業環境に依存することがデメリットといえます。

単管足場

単管足場は、単管パイプとクランプと呼ばれるつなぎ止めを使って設置する足場の総称です。

簡便な方法のため、古くから使用されています。単管パイプをクランプで組むだけの非常にシンプルな構造であるため、自由に形状を変化させられることが大きなメリットといえます。

狭い場所にも対応できるため、おもに低層建築物の外壁工事や塗装工事などで用いられるのが特徴です。部材の単管パイプやクランプがホームセンターでも入手可能です。

デメリットとしては、安全性が低いことです。枠組み足場などに比べて耐久性が劣り、設置後も定期的な安全確認が必要になります。

関連記事:足場材の単管クランプとは?単管クランプの種類と特徴・許容荷重について解説

吊り足場

吊り足場は建築現場の上から吊り下げる足場で、地面に足場を設置できない環境で用いられます。

例えば、橋梁工事・造船工事・高層ビル・タワーマンションなどの建築などの工事現場です。

空中で垂直・水平に足場を組み、クレーンで移動できるため、広範囲の作業に適します。

高所かつ水平方向の工事を行う際には吊り足場が使われることが多いです。

クレーンで移動できるため作業効率が高く、工期の短縮につながることがメリットですが、高所での足場設置となるため、資格を有する現場監督が必要になります。

移動式足場(ローリングタワー)

移動式足場は下部にキャスターが付いている足場です。

現場で足場を移動する際に、解体することなく移動できるため、工期短縮につながることがメリットです。

足場には床板や緊結部付布などを設置するため、安全性も高く、屋内工事(内装工事)などでも活躍します。天井工事・外壁塗装・設備工事・土木工事などで用いられることが多いです。

キャスター式のため使用時や移動時に足場が転倒しないように注意が必要です。特に傾斜がある場所では転倒の危険性があるため、移動後にジャッキの高さ調整が必須となることがデメリットです。

次世代足場

これまで、職人の身長や体格に合わせた足場の規格化はされていませんでした。

現在の日本人は枠組み足場が導入された50年前よりも平均で10cmほど身長が高くなっており、現在の規格では大半の人が腰をかがめた作業を強いられています。

そこで現代人の身長を考慮しつつ、安全性も見直した「次世代足場」が誕生しました。

次世代足場は、階高が180〜190cmになるように設計されたくさび緊結式足場であり、緊結部付布も標準装備され、作業性も安全性も高い足場です。

作業しやすい空間の確保に加え、足場から落下する危険性も下がるため、メリットが多く、普及が待ち望まれています。

関連記事:次世代足場の定義とは?|次世代足場の種類まとめについて徹底解説

脚立足場

脚立足場は、足場が組みにくい狭い場所や屋内などで簡易的に設置する足場です。

普段は、家庭や職場で使用する脚立を均等にならべ、足場板を通してゴムバンドなどで固定して組みます。

脚立単独ではふらつく場合や作業スペースが必要となる場合に、緊急的に用いられる方法です。

移動式足場にくらべて簡単に設置できるため、実は使われることが多いのですが、床が水平でないと逆に危険を伴います。

安全性は低いのでおすすめはできません。イザというときは床の水平度を必ず確認のうえ、足元に気をつけて使用する必要があります。

足場の各部位

具体的に足場を設置するために必要な部位(部材)について解説します。

・踏板(足場板、鋼製布板)

踏板は、作業員が歩く床となる部位

・支柱

支柱は、足場の垂直方向を支えるための部材

・筋交(プレス)

筋交は、足場の幅方向を支えるための部材

・緊結部付布

緊結部付布は、足場からの落下を防止するための部位

・ジャッキ

ジャッキは、足場の高さを調節する部位

・ジャッキベース

ジャッキが乗る台座

・ブラケット

ブラケットは、足場の横方向を支えるための部材

関連記事:【重要】足場工事で使用する部材の名称・種類を完全ガイドまとめ

足場の種類|まとめ

本記事では、建築現場に必要不可欠な設備である足場の種類や特徴などを詳細に解説しました。

足場には、くさび式足場や枠組み足場・単管足場・吊り足場・移動式足場・次世代足場・脚立足場などの種類があり、それぞれ用途が異なります。

業務効率や安全性を考慮しながら、現場環境や工事内容に応じた適切な足場を使用することが重要です。