足場は購入・レンタルどっちがおすすめ?購入・レンタルする際の相場やメリット・注意点について解説
2024年2月23日
本記事では足場の購入とレンタルについて、メリットや注意点を詳しく解説します。
足場の設置を検討している人は、本記事を参考にしてください。
足場の購入・レンタルどちらがおすすめ
足場を購入するか、レンタルするかを決めるに際して、各々の違いを理解することをおすすめします。
主な違いについては、以下の5つになります。
・使用期間:足場を使用できる期間
・部材の種類:足場の種類や各種部材の種類
・部材の状態:新品や中古品
・点検者:点検には「足場の組立て等作業主任者」の資格が必要です
・所有権:紛失時や破損時などに注意すべき点になります
上記5つについて、足場の購入とレンタルで比較したものを下表にまとめましたので参考にしてみてください。
購入 | レンタル | |
使用期間 | 使用回数や耐用年数に依存 | 数日から数ヶ月 |
部材の種類 | 取引先の品揃えに依存 | レンタル会社の品揃えに依存 |
部材の状態 | 新品もしくは中古品 | 基本的に中古品 |
所有権 | 自社 | レンタル会社 |
点検者 | 自社 | レンタル会社 |
その他 | 収納スペースが必要 | 途中解約時には違約金が発生 |
足場の購入・レンタル別のメリット
足場を購入する場合とレンタルする場合について、それぞれのメリットを紹介します。
どちらを選ぼうか迷っているのであれば、選ぶ際の判断基準にしてください。それでは各メリットを順に解説します。
足場を購入する場合
足場を購入する場合のメリットは、以下の3つが挙げられます。
・部材の使用状況を気にする必要がない
レンタルの場合では現物を見ても使用年数や、どのような現場でどのように使用されたかが分かりません。
・長期的な費用が少ない
レンタルで必要になる契約手数料や、使用期間料や搬送費などを削減できます。
・破損に敏感になる必要がない
レンタルした足場を破損すると、修理費用や買い替え費用などを請求される可能性があります
足場をレンタルする場合と比べて、購入する場合には上記のようなメリットがある点を理解することが大切です。
足場をレンタルする場合
次回の現場でしか足場を使う予定がないなど、普段は足場を使用しない場合に重宝するのが足場のレンタルになります。
足場を購入する場合に比べて、レンタルする場合には3つのメリットがあるのも特徴です。
・資金を有効活用できる
・メンテナンスや廃棄処分費用を削減
・保管場所を確保しなくてもいい
このようなメリットがある一方で、レンタルした足場であることを忘れてはいけません。
足場の部材を汚したり壊したりしないよう、十分に注意して取り扱う必要があります。それでは3つのメリットについて、それぞれ解説します。
資金を有効活用できる
足場をレンタルする場合、購入に伴う膨大なイニシャルコストが必要ありません。
加えて足場を維持するために必要な保管スペースの費用、部材の修理費用や買い替え費用などが不要になる点も魅力的です。
削減できた資金を元に作業員を増やしたり、安全対策設備の購入に充てたりできる点も、レンタルのメリットになります。
メンテナンスや廃棄処分費用を削減
足場を購入すると、点検や修理などのメンテナンスを自社で行う必要があります。点検を実施するには、「足場の組立て等作業主任者」の技能講習を修了しなければいけません。
溶接やケレン作業などの修理作業にも、別途資格が必要なので注意が必要です。
また使用回数や使用年数に伴う劣化や、耐用年数を過ぎた足場は廃棄する必要があります。
廃棄する際にも廃棄処分費用は必要で、引き取りを依頼すれば出張費なども追加されるため確認することをおすすめします。
レンタルであれば、これらのメンテナンスや廃棄処分費用を削減できるのがメリットといえます。
保管場所を確保しなくてもいい
足場を購入する資金や資格があっても、注意すべきは保管場所です。足場に必要な部材は数も種類も多く、その中には大きな部材もあります。
まとめて保管するにはスペースを確保したり、倉庫を借りたりする必要もあるでしょう。
購入ではなくレンタルすることで、保管場所のスペースや維持費も不要になるのがメリットです。
足場の種類と特徴
設置環境や作業内容に適した足場を選びましょう。
5つの足場を順に紹介します。
・くさび式足場
中低層ビルの建設に用いられる足場で、市街地でも見かけます。
ハンマー1本でも組み立て解体が可能な足場で、多くの現場に使用されます。
・枠組み足場
建築現場で使用されやすく、強度と耐久性に優れた足場です。
15階建て相当(約45m)の高層ビルにも設置できます。
・単管足場
単管パイプと呼ばれる部材などを用いて組み立てる足場です。
低コストかつ狭いスペースでも組み立てられます。
・吊り足場
構造物に吊り下げる足場で、橋梁の点検などにも使用されます。
地上の制約を受けませんが、空中での作業が求められます。
・移動式足場
足場にキャスターを取り付けて移動できる足場です。
移動時にぶつけたり、倒れたりするリスクに注意しましょう。
足場レンタルの相場ケース
足場をレンタルするには、どのくらい費用が必要になるのでしょうか。
本記事では一般的な2階建ての戸建てに足場を組み、外壁を塗装する作業で考えます。
3つのケースに分けて、費用の相場を解説します。
ケース1:施工とセットで業者に委託
足場をレンタルする際に、足場の組み立てから各種作業まで、全てをまとめて業者に委託するケースで考えてみます。
2階建ての戸建てに必要な足場の部材を、30日間レンタルする場合は15〜20万円程度のレンタル費が必要です。
レンタル費に加えて、足場を設置する作業が必要になります。足場作業費の中には、足場の搬入搬出作業費や、足場の組み立て解体作業費などが含まれます。
2階建ての戸建ての外壁塗装には、作業費として60〜180万円程度が必要です。外壁塗装作業費の中には、塗料や養生など雑材消耗品が含まれます。
上記費用の他にも、出張費などが加算されるでしょう。これまでの費用を合計すると、数百万円の見積になります。
また戸建ての形状や周辺環境によっては、見積金額がさらに増加する可能性もあるので注意が必要です。
ケース2:足場のみをレンタルしたい場合
「足場の組立て等作業主任者」などの資格を所持していて、足場のみをレンタルするケースを考えてみます。
2階建ての戸建てに必要な足場の部材を、30日間レンタルする場合は15〜20万円程度のレンタル費が必要です。
準備すべき物としては、外壁用の塗料や道具、安全保護具や養生などです。ホームセンターで購入すれば、多めに購入しても数十万円でしょう。
注意すべき点は足場の破損や、塗料が部材を汚したことで生じる修理費用や買い替え費用です。
他にも雨で塗装作業ができず、レンタル期間を過ぎれば延長料金が発生したり、作業が途中でも返却したりする必要があるかもしれません。これらのリスクには十分に注意しなければいけません。
ケース3:足場を購入する場合
外壁の塗装する以外にも、屋根の補修などを実施する予定があり、足場を購入するケースです。
2階建ての戸建てに必要な足場として、枠組み足場の部材一式を揃えようとすると100万円を超えます。さらに保管スペース確保や設置に加えて、安全性能や耐久性能を維持するために整備や点検にも費用が必要です。
たとえ足場を購入しても、「足場の組立て等作業主任者」を未所持だと組み立てられないので注意が必要です。
足場レンタルする際の注意点
足場をレンタルする際に注意すべき点は、以下の3つです。
・延長料金の発生に注意する
・破損しないように注意する
・足場を無料で設置することはない
それぞれの注意点について、順に詳しく説明しましょう。
延長料金の発生に注意する
レンタル費を削減しようと、レンタル期間を短くする案はおすすめできません。
作業が計画通りに進まなかったり、天候不良などで作業のできない期間があったりすると、レンタル期間内に作業を完了できない可能性が出てきます。
作業を完了させようとレンタル期間を延長すれば、延長料金が発生します。
レンタル会社が繁忙期であれば、作業が途中だとしても、解体して返却を求められる可能性もあります。延長料金による費用増加よりも、さまざまな不確定要素を考慮して、レンタル期間を少し長めに計画することが大切です。
破損しないように注意する
レンタルした足場の所有権は、もちろん足場を貸し出したレンタル会社にあります。
足場の組み立て作業にはハンマーなどを使用するため、足場の部材に対して取り扱いが雑になりがちです。しかし足場の部材を破損したり、塗料などで汚したりしてはいけません。
破損状況や汚れ具合によっては、修理代や買い替え代を請求される場合です。借り物であることを忘れずに、レンタルした足場の部材は丁寧に取り扱うようにします。
足場を無料で設置することはない
営業トークとして「今月中にご契約いただければ足場費用を無料にします」などありますが、足場を無料では設置できません。
足場の設置には、大きく分けて作業費と部材費の2つが必要だからです。作業費の中には、搬入搬出作業費や組み立て解体の作業費などがあります。
一方の部材費には、足場の部材費や維持費、養生などの雑材消耗品費などがあります。
上記のように細かく考えず作業時間だけに注目しても、組み立てと解体のそれぞれに1日ずつ必要で、2日分の人件費が発生することは容易に想像できます。
このような営業トークの値引き分は、どこかに上乗せされています。見積書を手に取った際は、十分に注意して内容を確認することが必要です。
足場をレンタル|まとめ
本記事では、購入とレンタルのそれぞれに対して、メリットやデメリット、相場などを解説しました。どちらを選択しても、足場には相応の費用が必要になります。
今後の作業予定も視野に入れて、購入・レンタルするかを慎重に判断することが大切です。