足場のスタンションとは?概要と使用前に理解しておきたい注意点を解説
2024年2月6日
一般的にはあまり使われない単語のスタンション。スタンションとは、足場を組み立てる際に必要な足場材のひとつです。
本記事ではスタンションの概要と、使用前に理解しておきたい注意点についてまとめます。
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足場のスタンションとは
前述した通りスタンションとは、足場の設置に用いられる部材のひとつです。足場材に用いられるスタンションは、転落や墜落から作業員の安全を守る役割を有します。
通路や開口部の周辺に設置することの多いスタンションは墜落防護工のひとつで、一般的にはガードボスや取付金具付束柱とも呼ばれています。
スタンションの中には、さまざまな機能を有する製品もあり、親綱をかける支柱としての機能を有した製品などもあります。一方で他の足場材に比べて特徴的な形状をしており、現場で初めて取り付ける際には戸惑うかもしれません。
現場で使用するのが初めてにならないよう取扱説明書は事前に熟読し、実際に地上で取り付ける練習を行うことが必要です。
関連記事:【重要】足場工事で使用する部材の名称・種類を完全ガイドまとめ
スタンションの種類
スタンションは主に、足場から転落や墜落の危険性がある場所に設置されます。形状や機能は製品によって異なるので、使用する前に製品の取扱説明書を熟読して、機能や注意事項を十分に理解した後に足場を組み立てます。
そんなスタンションは設置場所によって、第1種と第2種に分類されることがあります。
それぞれの相違点をまとめると、以下の表のとおりです。
前提条件として第1種と第2種を入れ替えて用いることはできないので、組み立て時はもちろん、購入時には十分に注意しましょう。
第1種 | 第2種 | |
設置場所 | 荷上げ用開口部荷上げ構台仮設階段踊り場トラック桟橋土止壁上部(上記以外の場所 | 第1種以外の場所(第一種の場所には設置不可) |
床面の上〜上桟の高さ | 950mm以上 | 900mm以上 |
強度(耐久力) | 第2種より強い | 第1種より弱い |
スタンションの価格の相場
スタンションの価格はメーカーや機能によって異なり、一般的な相場は1本あたり30,000円〜60,000円程度です。
足場の規模が大きいほど使用する本数が増えるため注意が必要です。
スタンションを使用する際の注意点
一般社団法人仮設工業会の認定基準において、スタンションを使用する際の注意点は、ガードポストとしてまとめられています。
本記事ではスタンションを使用する際の注意点として、一般的なガードポストを使用する際の注意点と禁止事項を順に解説します。
ガードポストを使用する際の注意点は、次のとおり4つあります。
・ガードポストの取り付け間隔は2m以下とする
・ねじれ・転倒・浮き上がりが生じない堅硬な箇所に、ガードポストを取り付ける
・物体の落下が作業員に危険を及ばす場合は、ガードポストを取り付けた周辺に高さ10cm以上の幅木などを設置する
・作業員の衣服などがひっかからないように、ガードポストの突起部にはカバーを設ける
次に、一般的なガードポストを使用する際の禁止事項については、次のとおり5つあります。
・ガードポストに取り付ける手すり・中桟には、たわんだり曲がったりするものを使用しない
・ガードポスト本体や手すり・中桟には、墜落制止用器具を取り付けてはならない
・ガードポスト本体や手すり・中桟を、壁つなぎ・足場板などの支点または資材荷上げの吊り
元に使用してはならない
・ガードポストに設置した手すり・中桟には乗ってはいけない
・ガードポストに設置した手すり・中桟に対して、材料などを積載したり、吊り下げや立て掛けたりしてはいけない
ただしスタンションは、製品によって追加機能が異なります。一般的なガードポストの注意点と禁止事項だけではなく、現場で使用する製品の取扱説明書の確認が必要です。
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スタンションの代わりに使用する親綱支柱とは
親綱支柱とは、支柱用親綱を取り付ける親綱保持金具のことです。
つまり墜落制止用器具のフックを取り付ける親綱を、足場に張る支柱のことを親綱支柱といいます。
親綱支柱は以下のような4つの部材から、構成されているのが特徴的です。
・親綱保持金具
・支柱本体
・取付金具
・控綱保持金具
スタンションの中には、親綱支柱としての機能を追加した製品もあります。ただし親綱支柱の機能を有しないスタンションを、親綱支柱として利用するのはいけません。
親綱支柱の代わりとして、スタンションを使用したり購入したりする際は、親綱支柱としての機能を有しているか必ず確認することをおすすめします。
足場のスタンション|まとめ
足場材のスタンションとは、転落や墜落の危険から作業員を守る墜落防護工です。
製品ごとに付与される機能が異なるので、取り扱う際には設置方法に加えて、使用範囲基準に注意をしなければいけません。
初めて取り付ける際には、多少のコツが必要な製品もあります。可能であれば事前に、組み立ての練習を地上で行うことが大切です。