足場作業主任者とは?足場における必要性や資格取得のメリットを解説
2024年3月16日
足場の組み立てには、足場作業主任者の資格が必要です。資格を取得するには労働安全衛生規則に従い、講義を受講して修了試験に合格しなければいけません。
本記事では足場作業主任者の仕事内容から、資格取得の方法やメリットも解説します。
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足場作業主任者とは?
足場作業主任者とは、足場を設置する現場に配置すべき責任者となるための資格です。
ただし、責任者として誰でも任命できるわけではありません。
責任者として選任するには、足場作業主任者の資格を有していることが条件になります。労働災害が発生する状況のなかでも、墜落・転落が起きやすい現場のひとつが、足場での組み立てなど各種作業中に起こりやすいです。
責任者の主な役割は、足場工事に伴う労働災害の防止に努めることで、労働安全衛生上の責任者でもあります。
作業員の指揮監督や組み立てた足場の点検・組み立てや解体または変更には、足場作業主任者の指揮のもとで作業を行う必要があります。
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足場作業主任者の選任は義務
吊り足場や張出し足場、または高さが5m以上になる構造の足場を設置する現場には、足場作業主任者を選任する義務があります。
上記の足場の組み立て、解体または変更に伴う作業を実施するには、足場作業主任者の指揮のもとで、作業員は指示に従うことが必要です。
仮に足場作業主任者の選任を忘れていたり、資格を所持しない者を選任したりした場合には、労働安全衛生法違反として行政処分が執行されます。作業員についても足場で作業をするには、足場特別教育を修了している必要があります。
また足場での作業時にフルハーネスを着用する場合は、別途「フルハーネス型安全帯使用作業特別教育」を修了する必要があるので注意しなければいけません。
足場作業主任者と足場特別教育の違いとは?
足場作業主任者と足場特別教育の違いは、簡単に言えば指揮を取れるかどうかです。足場特別教育を修了しても、作業現場の指揮を取ることができません。
また資格に修了試験がある点から想像できるように、足場作業主任者は足場特別教育の上位資格にあたります。足場作業主任者を修了していたり、とび1級または2級の技能検定を所持していたりすれば、足場特別教育を改めて受講する必要はありません。
足場特別教育は足場作業に従事する際に必要な資格であり、作業責任者や指揮監督を行えない点には注意が必要です。
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足場作業主任者資格を取得する方法
足場作業主任者資格を取得するには、講義を最初から最後まで受講して、さらに講義終了後の修了試験に合格する必要があります。
- 受講資格
- 受講費用
- 講習内容
- 合格基準
- 試験内容
それでは順に、詳しく解説します。
受講資格
足場作業主任者を取得するには、受講資格として下記条件のいずれかを満たす必要があります。
- 足場の組み立て、解体又は変更に関する作業に18才より3年以上従事した経験を有する者
- 大学、高等専門学校又は高等学校において、土木、建築または造船学科を卒業しその後2年以上「上記の作業」に従事した経験を有する者
- その他厚生労働大臣の定める者
足場特別教育を修了していると、実務証明の一部として証明できる場合もあります。
受講費用
足場作業主任者を受講する際に必要な費用は、実施団体により多少の差があります。
受講費用の相場は、テキスト込みで16,000円ほどです。
上記に加えて、会場までの交通費や、遠方の場合には宿泊費なども必要になります。
また足場作業主任者の講習は、建設事業主に対する助成金制度の対象です。助成金の申請には、所定の手続きが必要になりますので、実施団体の指示にしたがって申請を行なってください。
講習内容
足場作業主任者の講習内容と時間は、労働安全衛生規則により定められています。
したがって、どの実施団体で受講しても同じ内容です。
講習当日の遅刻・途中退出は厳禁。
さらに受講時間は13時間と長く、多くの場合は2日に分けて実施されます。
種別 | 科目 | 時間 |
学科 | 作業の方法に関する知識 | 7時間 |
工事用設備、機械、器具、作業環境などに関する知識 | 3時間 | |
作業者に対する教育等に関する知識 | 1.5時間 | |
関係法令 | 1.5時間 | |
合計 | 13時間 |
合格基準
足場作業責任者の講習会には、修了試験があります。修了試験には合格基準が定められており、全科目の合計が100点中60点以上、かつ各科目において40%以上の正解が必要です。
つまり合計得点が70点で60点以上あっても、ひとつの科目で39%(40%未満)の場合は不合格になります。
修了試験時には、受講時に使用したテキストなどを持ち込めません。講師の説明をよく聞いて、教えてもらった重要ポイントを覚える努力が大切です。
試験内容
足場作業主任者の修了試験は択一式で、下記の内容が出題されます。
- 足場の組立て・解体・変更等の作業に関する知識
- 工事用設備・機械・器具・作業環境などに関する知識
- 作業者に対する教育に関する知識
- 関係法令
労働安全衛生規則に基づく資格や講習は、安全作業を行うために実施されています。「安全な作業を行うには、どのような法律があるのか」「どのような対策をすべきか」を意識しながら受講して、修了試験に臨みましょう。
足場作業主任者資格を取得するメリット
日々多忙な現場作業の間に、わざわざ足場作業主任者を受講するメリットはあるのか?と考える人もいるでしょう。
足場作業主任者を取得することで得られる、3つのメリットを順に説明します。
- 現職場でのキャリアアップを狙える
作業者から作業責任者など、管理する側にキャリアアップを狙えます。
- 資格保有者として転職時にアピールできる
足場作業主任者は国家資格のため、転職時には資格保有者としてアピールできます。
- 実務経験を客観的に証明できる
足場作業主任者を取得するには実務経験が必要なため、資格の保有が実務経験の客観的な証明になります。
他にも講義を受講することで安全意識が高まれば、あなた自身を守ることにもつながります。
足場作業主任者|まとめ
足場作業主任者とは、足場を設置する現場に配置すべき責任者となるための資格です。
また足場特別教育とは異なり、足場作業主任者を取得するには、講習を受講して修了試験に合格する必要があります。
資格保有によるキャリアアップなど、様々なメリットもあるので、足場作業主任者の資格取得を目指して頑張りましょう。