【2024年度】足場とは?足場種類や基礎知識を徹底解説
2024年3月5日
本記事は、足場について基本である足場種類だけでなく、知識・施工事例など応用までを徹底解説します。
足場に関する基礎知識を得て建設現場の安全と効率性の向上にお役立て頂けたら幸いです。
足場とは

足場とは、建築や建設工事の際に作業員が作業箇所に近づいて作業できるように組み立てた「仮設物」を指します。
安全かつ安定して高所で作業を行うために高所作業などに使用されます。
建物の外壁塗装や修繕・建設などさまざまな場面で足場は使用され、安全性を確保しつつ、作業効率を高めるために設計されています。
足場の設置は法律によって規制されており、特定の基準と安全基準を満たす必要があることを念頭に置かなければいけません。
関連記事:新世代超軽量クサビ足場|お気軽に【軽量足場】についてのご質問やご相談ください
足場の種類
近年は安全面を考慮しているため鋼製のパイプである足場資材が多く使用されています。低層住宅の解体現場以外では「丸太足場」は見られなくなってきています。
本記事では、近年良く使われている「軽量足場」「くさび緊結式足場」「わく組足場」「単管足場」を順に解説していきます。
軽量足場
軽量足場は、主に小規模な建設作業や修理作業に使用される足場です。軽量で取り扱いが簡単なのが最大の特徴といえます。
軽量足場の主部材
軽量足場の部材には、アルミ製のパイプや繋ぎ目・床板などが含まれます。これらは組み立てやすく持ち運びも容易に行うことができます。
軽量足場の特徴
軽量足場の特徴としては、組み立ての容易さと移動のしやすさがあります。特に狭いスペースや限られたエリアでの作業に適しており迅速な作業を可能にします。軽量であることが最大の特徴といえます。
まずはお気軽に【軽量足場】についてご相談|一般社団法人低中層足場リース協会
くさび緊結式足場
くさび緊結式足場は、建設現場で広く使われる足場の一種です。くさび緊結式足場の場合、くさびを使用してパイプやフレームをしっかりと固定することが特徴です。
くさび緊結式足場の主部材
主な部材には、縦パイプや横パイプ・斜めパイプ・くさび・ベースプレートなどがあります。各部材は互いに組み合わされ、強固な構造を形成します。
くさび緊結式足場の特徴
特徴として、迅速な組み立てと分解が可能な点が挙げられます。
また堅牢な構造により、高い安全性を提供します。さまざまな高さや形状の建築物に対応可能なため、大規模な建設プロジェクトに適しています。
枠組足場
枠組足場は、その名の通り枠組みの構造で組み立てられる足場です。枠組足場は特に都市部の建設現場でよく使用され、安全かつ迅速な作業を行うことができます。
枠組足場の主部材
枠組足場の主部材には、縦枠や横枠・階段・床板などがあります。各部材は互いに連結させることで足場全体の安定性を確保することができます。
枠組足場の特徴
枠組足場の特徴としては、組み立てや解体が比較的容易であることが挙げられます。堅固な構造により高い安全性を提供することなどを可能にします。さまざまな建物の形状に合わせて調整することができ、汎用性が高い点も大きな特徴といえます。
関連記事:枠組足場の相場とは?主要部材の寸法や高さ制限とメリット・デメリットについて解説
単管足場
単管足場は、その名の通り、単一の管材を用いて構成される足場です。特に複雑な形状や限られたスペースの建築現場に適しています。柔軟性と使いやすさが特徴です。
単管足場の主部材
主な部材には、単管パイプやジョイント部品・クランプなどがあります。これらを組み合わせることで、さまざまな形状の足場構築を可能にします。
単管足場の特徴
単管足場の最大の特徴は、組み立てや解体の容易さです。軽量で扱いやすいため強固な構造を作ることができます。
複雑なデザインの建物にも柔軟に対応が可能になり、限られたスペースでも効率的に使用することができるため、狭い現場などで特に重宝されています。
吊り足場
吊り足場は、高層建築物や橋梁の工事で使用される特殊な足場です。上部構造に固定されたケーブルやチェーンで吊り下げられ、空中に浮かぶように設置されます。
吊り足場の主部材
吊り足場の主部材には、吊り金具やケーブル・床板・安全ネット・手摺りなどがあります。各部材は、作業員の安全と足場の安定性を確保するために重要です。
吊り足場の特徴
吊り足場の最大の特徴は、地上からの足場設置が困難な場所でも利用できる点です。空間利用の効率化が図れ、広範囲な作業に対応できます。
設置と運用には高度な技術と経験が必要になり、安全管理には特に注意を払わなければいけません。
関連記事:吊り足場とは?組み方の手順・注意点やメリット・デメリットについて詳しく解説
足場の種類による違い
足場の種類による違いについて下記の表を御覧ください。
足場の種類 | 代表的な使用シーン | メリット | デメリット |
くさび緊結式足場 | 大規模な建設現場での使用 | ・強度が高く安定性に優れている・組立てや解体が容易 | 重量があり、運搬や保管にスペースが必要 |
単管足場 | さまざまな建築現場での使用 | ・柔軟性が高く、複雑な形状にも対応可能・コストが比較的低い | ・組み立てに時間がかかることがある部品の結合部分の管理が必要 |
枠組足場 | 住宅建築や小規模な工事での使用 | ・組み立てが簡単で迅速・使用後の解体も容易 | ・構造が単純なため、大規模な建築物には向かない場合がある |
最も一般的なのは「くさび緊結式足場」で、部材同士をくさびで緊結することで安定した構造です。各足場は、それぞれ異なる特性を持ち、建設現場の安全と効率を高めるために重要な役割を果たしています。
関連記事:足場の組み立て作業に必要な資格一覧|取得方法や足場特別教育との違いについて解説
足場を採用する3つのメリット
先述でも解説しましたが足場を採用するメリットとして「安全性」「作業効率」「品質向上」が挙げられます。現場での作業時間を短縮し、プロジェクトの進行を効率的に行うことが可能です。
資材強度が高い
足場の資材強度は、安全性と信頼性が重要です。高品質な材料を使用することで、足場は高い荷重に耐えることが可能になります。また安全な作業環境を提供することにつながります。
また強度が高い足場は、天候の変化や長期間の使用においても、性能を維持することができます。
資材の強度が高い足場は、建設現場における作業員の安全を確保し、事故リスクを軽減するために重要です。
部材種類が豊富にある
足場の構築では、部材の種類が豊富であることは大きな利点といえます。さまざまな材質や形状の部材を利用して、現場に適した条件に合わせ足場の組み立てを可能にします。
例えば、重量負荷が高い場所には強固な部材を、狭い空間ではコンパクトな設計の部材を使用するなど、柔軟な対応が可能。
豊富な部材の選択肢が、足場の安全性と効率性を高める要因となっています。
関連記事:足場作業主任者とは?足場工事における必要性や資格取得のメリットを解説
組立や解体がカンタン
足場の組立や解体の簡便さは、現代の建設現場において重要な役割を担っています。
最新の足場システムは、効率的に作業できるよう設計されており、特別な工具を必要とせずに迅速な組み立てや解体を行うことができます。作業時間の短縮と人件費の削減を実現し、全体的なプロジェクトのコスト削減を可能にします。
また組立や解体の簡単さは、作業中の安全性を高める要素でもあり、現場の効率性と安全性に不可欠といえます。
関連記事:足場の組み方やその安全性・組立手順を解体作業まで徹底解説
足場の注意点
本記事では足場を使用する際に、注意しなければいけない点を2つ解説します。
主な注意点としては、「安全性を最優先に考慮する」「足場の素材や構造がプロジェクトの要件に合致しているかを確認する」「足場の検査とメンテナンスは定期的に行い、損傷や弱点がないかを常にチェックする」などが挙げられます。
各注意点を遵守し、作業者の安全とプロジェクトの効率化を確保することが大切です。
複雑な建築物や狭小地には不向き
足場は、さまざまな建設現場で役立つものですが、複雑な形状の建築物や狭い敷地では、使用が難しい場合があります。
このような条件下では、足場の設置が困難になることがあり、特別な工夫や技術が必要とされます。足場の安全性や効率性が低下する恐れがあるため、代替方法を検討することをおすすめします。
豊富な知識が必要になる
足場の設置や利用には、豊富な知識が不可欠です。安全性を確保するためだけでなく、足場の効率的な使用方法やコスト管理に影響します。
現場環境に応じて最適な足場の選択や設置方法は異なるため、幅広い知識が求められることを念頭に置かなければいけません。
適切な足場の選択と安全な設置は、作業の成功と労働者の安全に必須です。建築や足場などに関する継続的な学習と経験が必須といえます。
関連記事:【荷役作業】労働安全衛生規則(昇降設備・保護帽)などの改正について解説
新世代超軽量クサビ足場『軽量足場』
新世代の「軽量足場」では、従来の足場に比べて35%以上の軽量化を実現しています。
軽量足場は、高強度の自動車用鋼板を使用し支柱のホゾはプレス一体型で製造され、三点転造の根入れジャッキや支柱と差し込みホゾをプレス式で一体化することにより、強度と耐久性を高めることに成功しています。
さらに、最新の低電圧型抵抗スポット溶接機を使用することで、安全性を確保しつつ軽量化を実現しているのが大きな特徴です。
革新的な技術により軽量足場は、建設現場での取り扱いが容易になり、作業効率を向上させる足場として注目を集めています。